越前ガニQ&A
Q1.越前がにってどんなカニ?
福井県で水揚げされたズワイガニに対し、親しみをこめて呼ぶ愛称です。 安土桃山時代、永正(えいしょう)8年(1511年)3月20日の 三条西実隆(さんじょうにしさねたか)(京都に住む位の高い公家)の 日記には、「伯少将送越前蟹一折」、翌21日には「越前蟹一折遣竜崎許了」と記載されています。ズワイガニと言う和名がつかわれるよりも古い時代に、すでに食されていたという証拠です。
福井県は、1989年(平成元年)3月21日に「越前がに」を県の魚と定め 翌年シンボルマークを選定しました。
Q2.黄色のタグはなぜついてるの?
福井県の旅館や民宿、料理店で出される越前がにに黄色のタグが付けられています。その昔、福井県で獲れたカニとそうでないニの区別が、つかないことがありました。また、外国産の安いズワイガニが流通しています。そのため、福井県で水揚げされた証しとして「黄色いブランドタグ」を脚につけるようになりました。このタグは、福井県で水揚げされた越前がにである、という証拠です。
Q3.蟹の甲羅の黒いツブツブはなんですか?
ズワイガニの雄(オス)の甲羅に、直径4~5mmの丸くて薄い茶色のものがいくつも付着しているのをよく見かけます。これはカニビルの卵で、親は9~10cmの細長い体をしています。通常は、カニを茹でる時に落ちてしまうので一般の人の目につくことはありません。このカニビル、親は魚の血をえさとし、カニの甲羅を産卵場所として利用しているだけで、カニに対してはなんの影響もありません。
カニビルと聞くとびっくりされるかもしれませんが、産卵に適した身のしっかりした甲羅であるといえます。この黒いツブツブの卵こそ、肉の身入りの良い証拠なのです。さしづめ雄の勲章といったところ。商取引では、良いカニの目印となっている場合もあります。
Q4.カニの内子ってなんですか?
カニの雌(メス)であるセイコカニのお腹に抱いている受精卵を外子(そとこ)、卵巣のことを内子(うちこ)と呼んでいます。どの雌カニもダイダイ色の成熟した卵巣を持っています。この内子(卵巣)は、雄カニでは味わうことのできない珍味中の珍味。この味が大好きでセイコガニを求める方も多くいらっしゃいます。
Q5.三国の越前がにはなぜ美味しいの?
味覚の王様と呼ばれる秘密、それは漁場にあります。日本海三国沖は、暖流と寒流のぶつかる最高の漁場。ここに越前がにのエサである、プランクトンや小魚、甘えびなどが豊富で、それを食して大きく育つからです。
漁の仕方も美味しさに影響します。漁師たちは日帰りの底引き網漁で沖へ出かけ、越前がには活きたまま地元三国港で水揚げされます。皇室献上ガニは、甲羅の硬い、身のしっかり詰まったズッシリと重量感のあるカニを選びます。
三国港で水揚げされた越前がにが、皇室へ献上されています。
Q6.水がに(ズボがに、若カニ)ってどんなカニですか?
カニは成長する時に脱皮をして、大きくなります。若がには、通常ズボガニとも呼ばれ、脱皮したてのカニのこと言います。
脱皮直後のカニのため、身の入りは通常のズワイガニに比べ約80%ぐらい。ですが、みずみずしくとてもジューシーなので、地元の人は好んで食べます。身がとても剥きやすく、小さいお子様も食べやすいカニです。